加齢による歯の黄ばみ原因
こんにちは、さいたま市大宮区櫛引町の歯医者、ハート歯科クリニックの院長、内田いく子です。
今日は、「加齢歯の黄ばみ原因」お話しさせていただきます。
1.加齢によるエナメル質の退行
年を重ねるごとに、歯の表面のエナメル質は薄くなります。
歯はエナメル質によって外側を覆われ歯を保護されています。
しかし加齢により、エナメル質は徐々に摩耗し、薄くなっていきます。
また、エナメル質が薄くなることで、歯の色素が浸透しやすくなり、歯の黄ばみや変色を引き起こす原因となることもあります。
加齢によるエナメル質の退行を遅らせるためには、適切な口腔ケアや予防歯科の受診などが重要です。
2.歯の内部での変化
加齢により歯の内部の変化は、歯髄(※1)が退化していきます。
歯髄は歯の中心部に位置し、血管や神経が集まっており歯を健康に保つためには重要な部位となります。
以下のようなことが加齢とともに起こりうる可能性がございます。
1. 歯髄の退化
加齢によって、歯髄の血管や神経が退化していきます。
退化に伴い、歯の感覚が鈍くなり、歯に対する刺激に対する感度が低下していきます。
2. 歯髄の縮小
加齢によって歯髄は縮小していきます。
歯の色素が浸透しやすくなり、歯の黄ばみや変色を引き起こす事もあります。
3. 歯髄炎
加齢によって歯髄の免疫機能が低下することがあり、歯髄炎と呼ばれる状態が発生することがあります。
歯髄炎は、歯の内部に感染が広がり、痛みや腫れを引き起します。
3. 歯の黄ばみの原因
1.歯の黄ばみの原因は飲み物?
歯の黄ばみの原因は様々ですが、飲み物もその一因とされています。
特に色素を含む飲み物は、歯の表面に付着したり、エナメル質に染み込んで黄ばみの原因となることがあります。
コーヒーや紅茶のような色の濃い飲み物は、タンニンと呼ばれる色素を含んでおり、長期間摂取すると歯の表面を着色することがあります。
また、赤ワインや柑橘系のジュースに含まれる酸も、歯のエナメル質を薄くし、黄ばみや変色を引き起こす可能性があります。
2.歯の黄ばみの原因はタバコ?
タバコに含まれるニコチンやタールなどの化学物質が歯の表面に付着し、黄ばみを引き起こします。
これらの物質はエナメル質に染み込むだけでなく、歯茎や口の中の他の組織にも影響を及ぼすことがあります。
特に喫煙者は、日常的にタバコを吸うことで歯が黄ばむ傾向があります。
また、タバコの煙は口の中の細菌の増殖を促進し、口臭の原因にもなることがあります。
タバコによる歯の黄ばみを直すには、エタノールにより汚れを落とす事は可能ですが、摂取をしている限りなくなることはありません。
3.歯の表面に付着する着色物質
前述しましたが、飲み物による着色の原因は主にタンニンや色素です。
また、色素も食品や飲み物に含まれており、柑橘系のジュースやソース、カレーやビーツなどが代表的です。
これらの着色物質は、歯の表面に付着しやすく、時間が経つにつれて歯のエナメル質に浸透することもあります。
4.口腔衛生の状態や歯のケアの不備
不完全な歯磨きにより歯は黄色くなる可能性があります。
歯の表面には、食べ物や飲み物の残渣や細菌が付着します。
これらの物質は時間とともに着色物質となり、歯の表面に黄ばんだ外観を与えることがあります。
また、歯垢や歯石といった歯の清掃を怠ると、これらが歯の表面に固着し、黄色く見えることもあります。
歯磨きを適切に行うことで、これらの汚れや着色物質を除去し、歯を白く保つことができます。
そのため、日常的な歯磨きと定期的な歯科検診、プロフェッショナルな歯のクリーニングが重要です。
歯磨きは朝晩の食後に行い、正しいブラッシング技術と適切な歯磨き剤を使用することがおすすめです。
4.歯の黄ばみへの対策
歯の黄ばみを予防し、対策するためには以下の方法が効果的です。
1.正しい歯磨きを行う
黄ばみや虫歯の原因となる菌は飲食後に発生しやすいです。
歯磨きは朝と晩の食後に行いましょう。
歯の黄ばみや虫歯の原因となる歯垢は歯と歯の間や歯と歯茎の間にたまりやすいです。
時間を脚気手ゆっくり磨きましょう。
2.適切な歯ブラシと歯磨き粉を選ぶ
柔らかめの歯ブラシ、フッ素入りの歯磨き粉を選びましょう。
歯ブラシは3か月ごとに交換することも大切です。
歯磨きの方法など気になる点がございましたらお気軽にご相談ください。
3.色素の多い食べ物や飲み物の摂りすぎを避ける
コーヒーや紅茶、ソーダ、赤ワインなどの色素の多い食べ物や飲み物は、歯の着色を引き起こす可能性があります。
摂り過ぎに気をつけましょう。
4.食後に水を飲む。
食事後には水を飲みましょう。
口の中をすすぐことで、食べ物の残りや色素を洗い流すことができます。
5.定期的な歯科検診とクリーニング
歯科医に定期的に健診を受け、プロのクリーニングを行うことも重要です。
歯垢や歯石を除去し、歯の健康を維持することができます。
用語解説
歯髄(シズイ)とは
歯髄とは、歯の内部にある柔らかい組織で、血管、神経、および結合組織から成り立っています。
通常、歯髄は歯の中心部に位置し、歯根※2 まで延びています。
歯髄の主な役割は、歯を形成するための栄養供給や感覚伝達です。
血管は酸素や栄養素を歯内部に供給し、神経は歯に対する感覚(痛みや温度など)を伝える役割を果たしています。
しかし、歯髄は外部からの刺激や感染に敏感です。
虫歯や歯の破折、歯周病などが進行すると、歯髄にダメージを与えることがあります。
これにより歯髄が炎症を起こし、歯が痛む場合や腫れる場合があります。
歯髄に炎症が進行すると、根管治療や歯の抜歯などの処置が必要となることがあります。
また、歯髄の状態が悪化すると、根尖部の骨や周囲の組織に感染が広がる可能性もあります。
そのため、歯髄の健康状態を保つために、適切な歯科のケアと定期的な検診が重要です。
歯根(シコン)とは
歯根は、下顎骨や上顎骨に根付いています。
歯根は通常、歯肉の下に隠れており、歯をしっかりと支え、安定させる役割を果たしています。
歯根は通常、1本または複数本の根を持っており、それぞれの根は歯根管と呼ばれる管状の空間を含んでいます。
歯根管には血管や神経が通っており、栄養や感覚の伝達を担当しています。
歯の黄ばみのお悩みやお口周りでお悩み事がございましたらお気軽にお越しください。