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受け口とは

こんにちは、さいたま市大宮区櫛引町の歯医者、ハート歯科クリニックの院長、内田いく子です。
今日は、「受け口」のお話しさせていただきます。

1.受け口(下顎前突)とは

受け口(下顎前突)とは

受け口とは、正式名称下顎前突(かがくぜんとつ)ともいい、口を閉じた時に上下の歯が正しく噛み合わず、下の歯が上の歯よりも前に出ている状態を指します。
受け口の場合、上の歯が下の歯に比べて後ろに位置しているため、噛み合わせが悪い状態となります。
このような状態では、噛む力や噛み合わせの安定性が低下し、「食べ物を食べる」といった機能低下や見た目に影響を与えます。

受け口は、先天的な顎の形成や歯の配置の問題、舌の位置や筋力の不調、習慣的な口の癖など、さまざまな原因によって引き起こされることがあり、
生後から2歳くらいまでの受け口は約40パーセントくらいの割合で自然に治る傾向にあります。
受け口の治療は、原因に基づいた適切な治療方法が必要であり、歯科医師や矯正歯科医師との相談が重要です。

2.受け口の原因

受け口の原因

1.ご両親からの遺伝

骨格や歯の生え方など親からの遺伝を受け受け口となる場合があります。

2.歯の不正咬合

歯の配置や噛み合わせが正常でない場合、受け口が引き起こされることがあります。

3.舌の位置や筋力の問題

舌の位置が低い場合や舌筋の力が弱い場合、受け口が発生することがあります。

4.くちばし状の顎

顎の成長や形状によっても受け口が生じることがあります。

5.唇や頬の筋力や癖による問題

唇や頬の筋肉のコントロールが弱い場合、受け口が発生することがあります。
また指をしゃぶったり舌うちなど癖から受け口に発展してしまう場合もあります。

上記はあくまで一般的な原因となります。
症例は個々により様々な症状があり治療法が異なります。

3. 受け口の改善方法

1.正しい噛み合わせの促進

矯正治療:歯の不正咬合を改善するためには、矯正治療を受けることが効果的です。
歯科医師や矯正歯科医に症状を確認してもらい自分に適した治療方法を見つけましょう。
矯正装置やマウスピースなどが使われることがあります。

2.筋力トレーニング

唇や頬の筋力の問題:唇や頬の筋肉のコントロールが弱い場合、受け口が発生することがあります。
言語療法士や口腔筋機能療法士の指導を受けると改善することができる場合もあります。

3.姿勢の改善

良い姿勢を保つことも噛み合わせの改善に役立ちます。
正しい姿勢で座ることや、脊椎の調整を行うことで、正しい噛み合わせを促進しやすくなります。

4.受け口(反対咬合)をそのままにしておくとどうなる?

受け口(反対咬合)をそのままにしておくとどうなる?

1.見た目の印象に影響がでてしまう

歯の位置が正しくないため、顔のバランスが崩れることがあります。
下顎が前に出てしまったり、顎が異常な形状をして見えたりすることもあります。

2.虫歯や歯周病などになりやすくなってします

反対咬合によって、噛み合わせの力が均等に分散されず、特定の歯に過剰な負荷がかかることがあります。
これにより、歯の磨耗や歯ぐきの問題が生じる可能性が高くなります。
また歯並びが悪いため、歯磨きの際磨きずらい箇所を磨き残し虫歯になったりします。
歯周病になってしまう事もあります。
歯周病は歯垢や歯石が歯肉の周りに蓄積し、炎症を引き起こす病気です。
反対咬合がある場合、歯ぐきとの間に適切な清掃が困難となり、歯垢や歯石が蓄積しやすくなります。
また、反対咬合によって歯の位置が安定せず、歯ぐきに対する圧力や摩擦が増加することも考えられます。

3.食べ物が噛みにくくなり消化不良に

歯並びが悪く、噛み合わせの問題が生じるため咀嚼が適切に行われず、食べ物を噛み切れず消化器官への負担が増え消化不良となる恐れがあります。

4.発音が悪くなる

噛み合わせが不均衡なため、舌や唇が十分な運動を行えず、発音が曖昧になったり、正確さが欠けたりすることがあります。
特定の音、たとえば「さ」や「し」など、正しい噛み合わせが必要な音に対して、反対咬合が影響を与え、発声が困難になることがあります。

5.受け口の治療方法

歯列矯正をおすすめします。
矯正は歯を削ることなく歯並びを整える治療となります。
歯に装置を装着し時間をかけてゆっくりと整えていきます。
昨今では小児健診の際に受け口と発覚し子供の段階から矯正治療を始めるケースも増えております。
成長期の段階では顎も骨もまだ成熟しておらず、成人された大人より歯科矯正による効果は出ます。
小児健診の際、治療の必要がある場合お伝えいたします。普段の生活の中での不安などございましたらご相談ください。

6.よくある質問

受け口って自然に治りますか?

咬合は、一部の場合には自然に治ることがありますが、それは成長期の場合がほとんどです。
自然に治るかどうかは、反対咬合の原因や症状にもよります。
心配な場合は早期に歯科専門医と相談し症状を踏まえた上で適切な処置が大事です。

受け口は再発しない?

大半の方は矯正治療が終わったら再発することはありません。
ただ15歳~18歳の成長期の場合再発する可能性があります。
定期的な健診または不安を感じる事がございましたらご相談ください。

受け口の治療期間はどれくらいですか?

症状にもよりますが、 一般的のおおよその目安は1年〜2年半くらいとなります。
レントゲン撮影により、検査の上、治療プランを作成します。
ご相談の上治療をすすめさせていただきます。

受け口はどのように治療できますか?

成人の場合には、マルチブラケット矯正や外科手術を組み合わせた矯正治療が必要になることがあります。
マルチブラケット矯正では、ブラケットとワイヤーを使用して歯の位置を調整します。
外科手術は、特に顎の骨や歯の位置に重大な問題がある場合に行われることがあります。
子供の場合には、上顎拡大装置や上顎前方牽引装置などが一般的に使用されます。
上顎拡大装置は、上顎を広げて歯の位置を改善するために使用されます。
上顎前方牽引装置は、上顎を前に引っ張りながら成長する段階で歯の位置を調整するために使用されます。

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