いつまでも丈夫な歯でいたい
皆さんは「丈夫な歯」と言ったらどんな歯だと思いますか?
どんな固い食べ物もかみ砕く歯?
虫歯になりにくい歯?
そもそも歯の表面を覆うエナメル質は鉄よりも固い硬度を誇ります。
ではなぜそんな固い歯が虫歯になってしまうのでしょう?
それはエナメル質は酸や細菌に弱いからです。
通常時は食物などから発生する酸も唾液により修復されるのですが、歯を磨かないでいると虫歯の原因となるプラークが出来、エナメル質が溶かされ内面にある象牙質も虫歯に侵されてしまいます。
先天的な理由もありますが、丈夫な歯を保つには必然的に日頃のケアが重要となってきます。
1.そもそも丈夫な歯とは?
歯の構造
丈夫な歯を語る上で簡単に歯の構成をお伝えいたします。
エナメル質(えなめるしつ)
エナメル質は、歯の表面を覆っている堅い組織です。
歯の中で最も外側に位置し、噛むときや飲食物と接触するときに受ける摩擦や圧力から歯を保護する役割を果たしています。
主成分はハイドロキシアパタイトと呼ばれる結晶状のリン酸カルシウムです。
耐久性があり、細菌や酸による虫歯へと進行しまわないよう防壁のような役割を持っています。
ただし、エナメル質は再生能力が限られており、唾液の分泌量が減ったり、酸や歯磨きの摩擦などの要因によってエナメル質が削れる事で虫歯が進行していきます。
象牙質(ぞうげしつ)
象牙質は、歯のエナメル質の下に位置する組織です。
エナメル質が歯の表面を覆っているのに対して、象牙質は内部の組織であり、エナメル質よりも柔らかくなっています。
象牙質は主にハイドロキシアパタイトと呼ばれるカルシウムリン酸塩で構成されており、エナメル質と比べて耐久性は低くなっています。
象牙質は、エナメル質と協力して歯を支える役割を果たしています。
また、象牙質は少しずつ硬化していく特性を持っており、歯が成長する過程で形成されます。
象牙質は歯の根部まで続いており、歯の内部の神経や血管を保護する役割も担っています。
しかし、象牙質はエナメル質よりも柔らかいため、エナメル質が溶けて象牙質に達してしまうと、エナメル質と比べ一気に浸食してしまいます。
水を飲んだ時にしみたりするのはエナメル質が溶け象牙質に達してしまうことの症状とも言えます。
セメント質(せめんとしつ)
セメント質は、歯の根部に存在する組織で、象牙質やエナメル質の下に位置しています。
主な成分はハイドロキシアパタイトですが、象牙質やエナメル質と比較して組織が柔らかく、血管や神経が通っています。
セメント質の主な役割は、歯を支えるための結合組織として機能することです。
歯の根が骨と接触する部分にセメント質が存在し、歯を安定させる役割を果たしています。
また、セメント質は象牙質やエナメル質と比べて衝撃吸収性が高く、咬合時の負担を軽減する役割も持っています。
セメント質まで虫歯が到達し浸食してしまうと最悪のケースとして歯を抜く必要が出てきます。
上記を踏まえ歯が強いというのは以下の三つとなります
歯が丈夫
エナメル質・象牙質が健康な状態であれば歯をぶつけてしまったりなどの衝撃にも耐えられます。
虫歯になりにくい
常に歯が清潔な状態が保たれていれば問題ありません。
歯茎(はぐき)が健康な状態にある
歯周病などに感染していなく歯茎が丈夫であれば歯が抜け落ちる事はありません。
基本的に歯磨きをし体調が健康であればエナメル質は丈夫な組織なので、虫歯や歯周病にかかる事はありません。
また定期的に健診をしていれば虫歯の初期状態で治療ができるので、数回の通院で初期の虫歯なら治ります。
2.歯を強くするには
正しい食事習慣を続ける
バランスの取れた食事を摂ることで、歯の健康を保つことができます。
特にカルシウムやビタミンDを摂取することは、歯を強くするのに役立ちます。
ヨーグルトなどの乳製品、果物、野菜をバランスよくとるといいでしょう。
食後の歯磨き、正しい歯磨き
食後に歯磨きをする事で食べ残しを除去でき、虫歯予防になります。
歯を清潔に保つためには、正しい歯磨きが重要です。また、歯磨き粉にはフッ素を含むものを選びましょう。
また歯ブラシだけでは届かない歯間の清掃には、フロスや歯間ブラシを使用しましょう。
これによって歯垢や食べ物の残りを取り除くことができます。
口腔衛生の定期的なチェック
歯科医院での定期検診とクリーニングは、歯の健康を維持するために重要です。
歯科医師は早期段階で虫歯や歯周病を発見し、適切な治療を行うことができます。
3.歯が弱る 原因
歯が弱る原因は最も一般的な原因の一つは、日常的なケアが不十分なことです。
ブラッシングや歯間の清掃を怠ったり、定期的な歯科検診を受けなかったりすると、虫歯や歯周病などの問題が起きやすくなります。
また、食生活も重要な要素です。
砂糖や酸性の食品や飲み物を過剰に摂取すると、歯のエナメル質が脆くなったり、虫歯が進行したりする可能性があります。
また、歯を不必要に強く磨いたり、歯ぎしりや噛みしめをしている場合も、歯が弱る原因となり得ます。
加齢によって唾液の分泌量が減少していきます。
唾液は歯の保護に重要な役割を果たしており、減少すると虫歯や口臭のリスクが増加します。
歯の寿命
日本人の歯の寿命は厚生労働省の調査によると、日本人の歯の平均寿命は約50~65年と言われております。
40代位から失う方が増え全体の40%が歯周病、次いで虫歯が3割、歯根破折が1割となっております。
4.まとめ
如何でしたでしょうか?
歯を丈夫にするという事は定期的なケアをする事で虫歯や歯周病にならないことが第一です。
そのためには食後の正しい歯磨き、健康的な食生活となります。
加齢により歯が弱くなることはありますが、それよりもいかに虫歯や歯周病を早期に発見し処置することで、歯の健康を保つ事が大事です。
そのために定期的な歯科検診が必要です。