部分入れ歯と総入れ歯の違い
部分入れ歯と総入れ歯の違いは、主に欠損している歯の範囲にあります。
部分入れ歯は、一部の歯が欠損している場合の治療法となります。
隣り合った歯にフックやクラスプと呼ばれる装置を取り付け、入れ歯を支えます。
一方、総入れ歯は、全ての歯が抜けてしまっている場合の治療法となります。
総入れ歯は、歯茎や口蓋に密着するように作られ、人工の歯を備えた入れ歯で歯列を再現します。
1.歯を失った時の治療方法
歯を失ってしまった時の治療方法として主にブリッジ、インプラント、部分入れ歯、総入れ歯の4種類が考えられます。
そのため、ブリッジやインプラント治療が出来ない状況の場合入れ歯となります。
1.ブリッチが出来ない場合
ブリッジは、隣接する歯をサポートにして欠損した歯を補完する治療法です。
以下のような状況ではブリッジが適さない場合があります。
2. 隣接する歯が弱い場合
ブリッジのサポートとなる歯は強力で安定している必要があります。
もし隣接する歯に根の不安定性や弱い骨組織がある場合、ブリッジの負荷に耐えることができないかもしれません。
3. スペースが広い場合
欠損した歯の間にスペースが広くある場合、ブリッジを適切にサポートすることが難しくなる場合があります。
4. 顎の骨の不足
ブリッジを取り付けるためには、適切な量の顎の骨が必要です。
もし骨の量が不足している場合、ブリッジの安定性や保持力が低下する可能性があります。
2.インプラントが出来ない場合
インプラントは、失った歯を補完するために使われる人工的(チタン)な歯根です。
インプラントは、耐久性のある素材で作られたネジ状の形状をしており、顎の骨に埋め込まれます。
インプラント治療は以下の状況では、インプラントが適さない場合があります。
1.骨の量や質の不足
インプラントは、人工歯根を骨に埋め込むことで支持するため、骨の量や質が十分でない場合には適さないことがあります。
骨量や質の不足は、骨吸収が進行している、事故や慢性的な疾患により骨が損傷しているなどの理由で起こる可能性があります。
2.全身的な健康状態
インプラント治療は手術的な処置であり、全身的な健康状態が適切でない場合にはリスクが高まることがあります。
例えば、心臓病や未治療の糖尿病、免疫系の疾患などがある場合は、インプラント治療を控える必要があります。
3.口腔的な問題
歯周病や感染症、顎関節症など、口腔内に問題がある場合には、インプラント治療が推奨されないことがあります。
これらの問題を先に治療する必要があります。
4.年齢制限
成長が未完成である若年者や、高齢者の骨の治癒能力が低下している場合には、インプラント治療が制限されることがあります。
3.入れ歯の種類
チタン床義歯・コバルトクロム義歯
チタン床義歯、コバルトクロム義歯は素材が違うだけで共に床義歯の一種です。
床義歯とは入れ歯の総称です。
従来の床義歯のベース(土台)は金属やアクリル樹脂などが使用されることが一般的でしたが、丈夫な金属で作られています。
床義歯は生体適合性が非常に高く、体内に異物反応を引き起こしにくい特性を持っています。
そのため、体に負担をかけずに快適な装着感を提供することができます。
また、軽量で強度もあり、耐久性にも優れています。
長期間にわたる使用や咬む力のかかる食事などにも耐えることができます。
ノンクラスプデンチャー
ノンクラスプデンチャーは、入れ歯の一種であり、隣接する健康な歯に装着するためのフックやクラスプ(支持体)を使用しないタイプの床義歯です。通常の床義歯に比べて見た目が自然であり、装着感も快適です。
ノンクラスプデンチャーでは、義歯自体が顎の骨や歯茎に密着し、その摩擦力によって安定感を提供します。特殊な設計や材料を使用して、歯に負担をかけずに優れた保持力と安定性を実現しています。
ノンクラスプデンチャーは、特に前歯部分の欠損や前歯の周囲に健康な歯が存在する場合に適しています。周囲の歯を傷つけずに、自然な笑顔を取り戻すことができます。
ただし、個々の症例に応じて適切な治療計画を立てる必要がありますので、歯科医師との相談が重要です。
プラスチック義歯
プラスチック義歯は、義歯の材料として使用される一種のプラスチックです。
もちろん、私たちは歯科医療の専門家ではありませんが、プラスチック義歯はアクリル樹脂義歯とも呼ばれ、義歯の土台(ベース)として使われることが多いです。
軽量かつ剛性があり、簡単に形状変更や修理が可能な特徴があります。
また、プラスチック義歯は比較的低価格で手に入るため、経済的な選択肢として人気があります。
しかし、義歯の補綴には個々の状況によって最適な素材やタイプが異なる場合がありますので、詳細は歯科医師に相談することをおすすめします。