歯科検診って必要?何が分かるの?
厚生労働省の調べによりますと、「令和4年歯科疾患実態調査」の結果、過去1年の間に歯科検診を受けた人の割合は48%に達しており日本に住まわれている方の半数は健診を受けていることになります。
歯科検診をする事で、虫歯や歯周病などの問題を早期に発見でき治療を行う事で重症化することなく、治療費も抑える事ができ、
口腔内の健康状態をチェックすることで、全身の健康状態を保つこともできます。
また歯科医師からの口腔ケアについてのアドバイスを受けることができ、日常の歯磨きや食生活の改善に役立ちます。
お子さんの歯科検診は行かれる、という方は多いですが、ぜひご両親の方をはじめ、定期的に歯科健診する事をお勧めいたします。
歯科検診に行く人の年齢ごとの割合
以下が年齢ごとの割合です。

子供(0〜12歳)
この年代は、学校での歯科検診や予防プログラムが多いため、比較的受診率が高く、30%〜70%と言われております。
中学生(13〜15歳)
少し受診率が下がる傾向がありますが、学校での健康診断等で受診することもあり、約40%〜60%と言われております。
高校生(16〜18歳)
自立する時期に入り、受診する割合が減少しがちですが、約20%〜50%の人が受診していると考えられます。
成人(19歳〜64歳)
成人の場合、特に仕事や生活の忙しさから受診を避ける人が多く、約20%〜40%程度の受診率です。
6.生活習慣
高齢者の中では、健康意識の高まりや医療サービスの利用が進んでいるため、受診率は上昇し、40%〜70%前後になることもあります。
※あくまで統計となり、地域よって変動いたします。
歯科検診で分かる事は?

歯の表面や内部の状態を確認し、虫歯の早期発見が可能です。
また歯周ポケットの深さや炎症の程度を確認し、歯周病の進行具合を判断します。
歯の欠損や損傷があった場合お伝えいたします。
折れた歯や欠けた部分の状態をチェックしどういった治療が必要かお伝えいたします。
噛み合わせが悪い場合は、歯列矯正や補綴治療が必要かどうかを判断し症状により歯科矯正のご提案、日常生活の中でのセルフケアの方法をお伝えいたします。
プラークの付着や食べかすの残り具合を確認し、口腔衛生のアドバイスが受けられます。
虫歯のチェック

視診
歯科医師が直接歯を目で見て、黒ずんでいる箇所や穴が開いているところをチェックします。
触診
専用の器具(探針など)を使って、歯の表面を触り、異常がないか確認します。虫歯の初期段階では硬さや柔らかさを感じ取ることが重要です。
場合によっては、X線検査必要に応じて歯のX線を撮影し、目に見えない部分の虫歯や骨の状態を確認します。
口腔内のチェック歯だけでなく、歯茎や口腔内の組織を見て、炎症やその他の問題がないかを確認します。
歯茎のチェック

歯周ポケットの測定
歯と歯茎の境界部分にある歯周ポケットの深さを測定します。
通常、健康な状態では1~3mm程度ですが、深くなると歯周病の可能性があります。
歯茎の色と形状のチェック
健康な歯茎はピンク色で、形が整っています。
赤く腫れていたり、出血したりする場合は、炎症や歯周病の兆候です。
出血の有無の確認
歯周ポケットや歯茎を軽く刺激して出血するかどうかを確認し、炎症があるかどうかを判断します。
歯石やプラークのチェック
歯茎の周りに歯石やプラークが沈着しているかを確認し、必要に応じてクリーニングを提案します。
歯茎の色と形歯茎の退縮の確認状のチェック
歯茎が下がっているか(退縮)をチェックし、露出している歯根の状態を確認します。
歯垢などのクリーニング・フッ素塗布

口腔内の診査
歯科医師または歯科衛生士が口の中をチェックし、歯垢や歯石の状態を確認します。
歯垢の除去
スケーリングという器具を使って、歯の表面や歯周ポケットに付着している歯垢や歯石を物理的に取り除きます。
ポリッシング
スケーリングの後、ポリッシングを行い、歯の表面を滑らかにします。これにより、歯垢が再付着しにくくなります。
フッ素塗布
必要に応じて、フッ素を含むジェルや塗布剤を歯の表面に塗布し、虫歯予防を図ります。
ブラッシング指導
正しい歯磨きの方法や、フロスの使い方についてアドバイスを受けることで、今後の口腔ケアにも役立てます。
セルフケアのチェック
歯科検診の際、歯垢の残っている箇所を確認した場合日頃の歯磨きの際の磨き方のアドバイスをいたします。
日頃の歯磨きでは以下の事を気を付けていただきますよう、よろしくお願いいたします。
・一日一回は(できれば毎食後)丁寧に歯を磨く
・歯と歯茎の間を意識して磨くようにしている
・デンタルフロスや歯間ブラシを使う
・歯を磨いた後、鏡でチェックする
・食べ物をよく噛んで食べるようにする
・歯を磨いた後口をよくゆすぐ
よくある質問
歯科検診はどのくらいの頻度で行った方がいいですか?
歯科検診の頻度は、個人の口腔状態やリスクファクターによります数カ月に一度は行かれることが理想的です。
以下の方は頻度を多めにされた方がいいかもしれません。
お子さん骨格の成長に伴い、歯並びが悪くなるリスクを回避できたり、歯をチェックすることで、磨き残しがあれば、
歯磨きの改善方法などをお伝え出来ます・
歯周病や虫歯のリスクが高いまたは過去に歯科治療を受けたことがある人は、より頻繁に受診することが望ましいです。
小学生の息子が小児矯正を始めました。医療費控除が使えますか?
小児矯正は、医療費控除の対象です。
一年間に10万円以上の医療費が必要になった場合には、所得税の一部が戻ってきます。
※成人の場合は、医師による診断書が必要になるケースがあります。
歯科検診は何歳から行ったらいいですか?
乳歯が生え始める時期(1歳頃)
幼児が最初の歯を持つようになったら、歯科医師に相談し、初診を受けることをお勧めします。
この時期に適切な口腔ケアについてのアドバイスを受けられます。
幼児期(2〜3歳頃)
2~3ヶ月くらいの定期的な歯科検診を始めるのが理想的です。
乳歯の発育状況を確認し、虫歯の予防が行われます。
学童期(小学生)
学校での歯科検診が行われることが多く、定期的に受診する習慣をつけることが大切です。
歯科検診は痛いですか?
歯科検診自体は通常痛くないことが多いですが、いくつかの要因によって感じ方が異なる場合があります。
一般的な歯科検診では、口内のチェックやクリーニングが主な内容です。これらは通常無痛で行われます。
痛みを感じられた場合は虫歯や歯周病が進行している可能性があります。