MFT(口腔筋機能療法)とは、歯列を取り巻く口腔周囲筋の機能を改善する、訓練法です。
つまり、歯並びに関係している舌、唇、頬などの口腔周囲筋を、正常な環境に整えることです。
口の外側には唇や頬、内側には舌があります。
いつも唇が開いていたり、舌が口からはみだしていたりすると、筋肉の圧力により歯が望ましくない方向に移動し、歯並びが悪くなります。
また、歯の矯正治療を行っても、筋肉からの圧力がそのままの状態だと、歯が元の位置に戻ってしまいます。
MFTは、これらを防ぐために必要な矯正治療の1つです。
MFTを行うことで、正しい顎や歯の発育を促進できます。
結果として、歯並びが整いやすくなり、将来的な矯正治療の必要性を減らすことが期待されます。
舌や口腔筋の機能を高めることで発音が明瞭になります。
また、表情筋も鍛えられるため、自然な笑顔を作りやすくなります。
舌や唇の使い方を正すことで、口呼吸を鼻呼吸へと改善できます。
これにより、口腔内の乾燥を防ぎ、虫歯や口臭のリスクを軽減します。
加えて、鼻呼吸は全身の酸素供給を効率的に行えるため、全身の健康にもよい影響を与えます。
MFTを取り入れることで、口腔内の筋肉がバランスよく機能し、歯並びや噛み合わせの矯正がスムーズに進みます。
筋肉の力が適切に作用するため、矯正装置の働きが最大化され、治療期間の短縮や結果の安定化が期待できます。
MFTは、「口腔機能発達不全症」という疾患の場合、保険適用で受けられます。
口腔機能発達不全症は、平成30年4月より保険導入された疾患です。
普段ヒトが当たり前に行っている、「食べる」「話す」「呼吸する」機能が正常でない状態のことをいいます。
近年、口腔機能発達不全症と診断される子どもが増加傾向にあり、症状の重さや年齢によってはMFTを行う必要があります。
年齢が15歳未満
・咀嚼機能、嚥下機能、食行動、構音機能、栄養(体格)、その他の中で2項目以上に異常が見られる。
口腔機能発達不全症は、子どもと親御さんの生活習慣を踏まえて最適だと考えられる方法で治療が行われます。
MFTは、主に咀嚼時の舌運動不全がある場合に行われ、正しい舌の動きができるようにトレーニングを行います。
ハート歯科では、3歳~9歳(小学校3年生)までの患者さんが対象となります。
※保護者さまからのご要望により、10歳以上の患者さんも訓練可能です。
下記の癖がいつもでも続いてしまうと歯並びは悪くなってしまいます!ぜひなおすよう、心掛けてください!
〇常に口を開けている
〇食べ物をくちゃくちゃと音を立て食べる
〇唇があれやすい
〇風邪をよくひく
〇食べ物をあまりかまずに飲み込む
〇飲み物がないと食事ができない
〇固い食べ物が食べれない
〇舌先が上または下の歯に裏側に触れている
〇よく唇を噛みしめている
〇寝る体勢がいつも横向き
〇爪をよく噛んでいる
〇唇を噛む癖がある
〇指しゃぶりをよくしている
あいうべ体操は、口周りの筋肉を鍛え、口呼吸を改善するための簡単な体操です。
口が円形に近くなるようにして、のどの奥が見えるまで大きく開きましょう。
前歯が見え頬の筋肉が両耳のわきによるくらい、横にぐいっと開きます。
しっかり開くとくびに筋肉の筋が浮き出ます。
口をしっかり閉じるための体操です。
唇を尖らせて思い切り前に突き出すことで、口周りの筋肉を広く鍛えます。
口を大きく開き舌を思い切りだして、顎先まで伸びだすつもりでやります。
強めによった方が効果的です。
スポットポジションとは、舌の先端が上あごの特定の位置に軽く触れている状態のことです。
スポットポジションは、舌が安静時や嚥下(飲み込み)の際に正しい位置にあるように訓練するための重要なポイントです。
舌が正しい位置にあることで、歯並びや口周りの筋肉のバランスが整い、口呼吸の改善や正しい嚥下につながります。
まずは、上あごのどの部分がスポットポジションなのかを意識することから始めます。
舌先で上あごの裏側を触って、一番へこんでいる場所を探します。
発音練習:「タ、タ、タ、タ」と発音する練習をします。この時、舌先がスポットに当たる感覚を意識します。
舌
舌先をスポットにつけたまま、数秒間キープする練習を繰り返します。
徐々にキープする時間を長くしていきます。
嚥下練習
唾を飲み込む際に、舌先がスポットから離れないように意識します。
舌を上あごに吸い付けて、ポンッと音を立てて離すトレーニングです。
舌の筋力を高め、正しいスポットポジションを意識しやすくする効果があります。飲み込む力の改善や、舌の位置を安定させる目的で行われます。
・準備:楽な姿勢で座り、口を軽く開けます。
・舌の位置:舌全体を上あごに吸い付けます。舌先はスポットポジション(上の前歯の裏側の付け根あたり)に当て、舌全体で上あごを覆うようにします。
・吸い込み:舌全体で上あごを吸い込み、真空状態を作ります。
・開放:舌の力を抜き、ポンッと音を立てて舌を上あごから離します。
・繰り返し:1日に数回、5~10回程度繰り返します。
・最初はうまく音が鳴らないかもしれませんが、焦らずに練習を続けましょう。
・唾液が多いと滑って音が鳴りにくい場合があります。軽く飲み込んでから行いましょう。
・首や肩に力が入らないようにリラックスして行いましょう。
・痛みや違和感がある場合は、無理せず中止してください。
舌をスポットポジションにつけた状態で、上あごを軽く叩くように振動させるトレーニングです。
・舌と上あごの協調性を高める。
・舌の筋肉を刺激し、活性化させる。
・正しいスポットポジションの感覚を強化する。
・舌先をスポットポジションにつけます。
・口を軽く閉じます。
・舌先をスポットにつけたまま、上あごを軽く叩くように、小刻みに振動させます。
・これを数回繰り返します。
・強く叩きすぎないように注意しましょう。
・リラックスした状態で行いましょう。
・毎日続けることで効果が期待できます。
・専門家の指示に従って行いましょう。
ボタンやそれに近いサイズのものを糸で結び、それを口にくわえて保持するトレーニングです。
・口唇閉鎖力(口を閉じる力)の強化
・口周りの筋肉のトレーニング
・鼻呼吸の促進
・ボタン(または同程度の大きさのもの)に糸を通します。
・糸の端を口から出し、ボタンを前歯で軽くくわえます。
・口唇の力だけでボタンを保持します。
・最初は短い時間(数秒)から始め、徐々に保持時間を延ばしていきます。
・1日に数回、数分間ずつ行います。
・ボタンを強く噛みすぎないように注意します。
・口呼吸にならないように、鼻呼吸を意識します。
・無理のない範囲で、徐々に保持時間を増やしていきます。
・ 誤嚥の危険性があるため、小さすぎるボタンや、糸が切れやすいものは使用しないでください。
・トレーニング中に痛みや違和感を感じたら、すぐに中止してください。
ボタントレーニングは、口唇閉鎖力や口周りの筋肉を鍛えるのに効果的なトレーニングですが、正しい方法で行うことが重要です。
MFT(口腔筋機能療法)は、舌癖、口呼吸、発音の不明瞭さ、歯並び・かみ合わせの問題がある場合に有効です。
これらの症状は、舌や口周りの筋肉の機能不全が原因であることが多く、MFTで改善が期待できます。
口の筋肉のバランスが正しい状態とは、安静時に口が自然に閉じ、舌が正しい位置(スポットポジション)にあり、
飲み込む際に舌が歯を押さず、口周りの筋肉が過剰に緊張しない状態を指します。
歯並びや発音、呼吸が正常に保たれ、顎関節への負担も軽減されます。
MFT(口腔筋機能療法)を行うことで、舌や口周りの筋肉のバランスが整い、歯並びに良い影響を与えることが期待できます。
具体的には、舌癖が改善され、舌が歯を押す力が弱まることで、出っ歯や開咬(前歯が閉じない状態)の改善につながります。
また、口呼吸から鼻呼吸に改善されることで、口周りの筋肉が正しく機能し、歯並びが悪化するのを防ぎます。
さらに、正しい嚥下(飲み込み)を習得することで、歯並びへの悪影響を軽減し、歯列矯正後の後戻りを防ぐ効果も期待できます。
MFT(口腔筋機能療法)では、口周りや舌の筋肉を鍛え、正しい使い方を学ぶための様々なトレーニングを行います。
具体的には、舌を正しい位置(スポットポジション)に保つ練習、口を閉じる筋肉を鍛える練習、鼻呼吸を促す練習、正しい飲み込み方を習得する練習などを行います。
これらのトレーニングを通して、舌や口周りの筋肉のバランスを整え、歯並びや発音、呼吸を改善することを目指します。